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ラー画像は今回の検討ではカラー写真の取り込みなどで多く使用される32bitでなく16bitで保存しているが、超音波のカラー画像の表示には多数の色彩を用いる必要はなく、判読のみを目的とする場合には16bitで表示することで、ファイルをより小さくすることが可能であった。
ビデオプリンターによる差については、高品質プリンターは画像の再現性がよく細部まで表現されているが、以前から用いられてきた低品質プリンターも改良にともない、多階調の表現ができるようになったため、今回用いた画像を比較(図1−b、図8)しても両者の差は少なくなってきている。

 

他の画像記録法について:ここでは、データの取り込み方法として、スキャナーを用いる方法、デジタルファイリングを用いる方法について検討したが、前者はスキャナーが必須である。最近用いられ始めているデジタルカメラなどは、持ち運び・通信が簡単な軽いコンピュータ(携帯通信端末)とつないで、どこでもデータを送ることができ、この領域でも発展する可能性を有する。

 

圧縮について:
圧縮には、大きく区分すると可逆圧縮と非可逆圧縮の2種類がある。コンピュータのソフト、文章など内容が全く同じでなければならない圧縮は前者で行なわねばならないが、画像のような診断を目的とするものでは、肉眼的に画像に劣化が認識できない範囲で非可逆圧縮が行なわれる。それぞれの特徴は、可逆圧縮は圧縮率があまりよくないが、名前の通りあとでもとの信号と全く同じものができるものであり、非可逆圧縮は効率は非常によいが一度行ったものは元の信号と全く同じものまで戻すことはできない。しかし、一般的には今回のような画像は診断というもともとの目的を満足できる範囲内で圧縮されることが多く、JPEG、GIFなどのフォーマットはそれを満たす画像圧縮法としてもよく知られているだけでなく、特にJPEG圧縮は、目的に合わせて圧縮率を変えることができる点で非常に有用である。実際に可逆圧縮法として汎用されているshare wareまたはfree wareとして有名なものは、CompactProTM、StuffltTMなどがありよく使用されている。今回の検討では、可逆圧縮は圧縮率が50%程度までであり、十分にファイルを小さくできないため、非可逆圧縮法であるJPEG、GIFの両者を用いたが、JPEGでは高圧縮を行っても画像は比較的保たれており、20倍程度の圧縮が可能であった。これまでの報告でも、静止画像の圧縮率としては20倍程度が適していると考えられており、今回の結果と同様であった。一方GIFはカラー画像、モノクロ画像ともに圧縮が効果的でなく、少なくとも今回の超音波画像についてはJPEG圧縮の方が適していると考えられた。なお、ある程度以上圧縮してもファイルの大きさが小さくならないのは、ファイル作成に要するための容量と考えられ、画像自体によるものではないと思われる。

 

ファイルの大きさと転送時間:
この研究の画像は、e−mailを用いて電話回線で送られることが前提であるために、大きいファイルは転送時間がかかってしまい、効率的とはいいにくい。送信結果のように

 

 

 

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